遺言の実際…筆跡鑑定

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遺言の筆跡鑑定…実際には



本当に相続人が書いたのかどうか。他人が書いたのなら偽造です。最後は筆跡鑑定となります。

実際の裁判所の判断をみてみましょう。

■自書か否かの判定はまず第1に筆跡の識別によるべきであり,その識別が不明確な場合はじめて他の情況証拠の方途を用いるべきである。(新潟地判・昭和45年1月14日)
「被告らは自筆遺言証書における自書か否かの判定は単に筆跡のみでなく,被告らの主張する(1)ないし(3)のような諸般の事実を総合考慮して判断すべきであるという。然し自筆証書による遺言は,各人の筆跡がそれぞれ固有の特徴を有し容易に他人の模倣を許さないということから,遺言者の真意を自書(即ち筆跡を残す)という方式によって砿保しておこうという制度であるから,自書か否かの判定は先ず第1に筆跡の識別に拠るべきであり,その識別が不明確な場合はじめて他の情況証拠による判定の方途を用いるべきであろう。してみれば,本件の如くその筆跡からみて遺言者本人の自書と認められないばかりか,むしろ遺言内容に利害関係を有する第三者の筆跡と認められるような本件遺言書をもって自筆遺言証書と解すべき余地はないものと考える。」

■自筆証書による遺言は,確認の筆跡がそれぞれ固有の特徴を有し容易に他人の模倣を許さないということから・遺言者の真意を自書(即ち筆跡を残す)という方式によって確保しておこうという制度であるから,自書か否かの判定はまず第一に筆跡の識別によるべきであり,その識別が不明確な場合にはじめて他の状況証拠による判定の用途を用いるべきである0 してみれば,本件のごとくその筆跡からみて遺言者本人の自書と認められないばかりか,むしろ,遺言内容に利害関係を有する第三者の筆跡と認められるような本件遺言書を以って自筆遺言証書と解すべき余地はないものと考える(新潟地判・昭和45年1月14日)

■原判決は,遺言書の筆跡について,鑑定人の鑑定結果のとおり,被相続人(遺言者)の筆跡によるものではないとしたが,本判決は右鑑定のほか・控訴審における同じ結論の新たな鑑定,控訴人提出のいわゆる私的鑑定書2通を詳細に比較検討したうえ,右私的鑑定は筆者の筆跡特徴をよくとらえているものであるとして,これを採用し,前記の2つの鑑定は,ささいな相違を指摘するに急であるなど納得し難く採用できないとした。その結果,本件遺言書は被相続人の自筆によるものと認められるとした(東京高判・昭和63年4月26日)


■本判決は,Yの提出した私的鑑定と裁判所の行った鑑定の結果が異なった。このため,両鑑定の内容を詳細に対比検討したうえ,遺言が偽造であるとした裁判所の行った鑑定結果の方が信用性が高いとしてこれを採用し,またA死亡後に相続人間で分割協議の話し合いや遺産分割調停の申し立てがなされていたのにもかかわらず,死亡後2年以上を経過してからはじめて本件遺言検認の申し立てがなされている等遺言が提出された経緯も不自然であることを考慮して,本件遺言を無効(東京地判・平成7年12月26日)

■カーボン複写により書面が作成された場合,書面に記載者が直接記載する場合に比べて,偽造の可能性が高まるものといえる。…このように本件遺言書はカーボン複写の方式によって作成され,特異な筆跡が目立ち,真正な成立に疑問を抱かせる事情もあることから,その成立の真否を判断するにあたっては,慎重な検討を要するものである。鑑定によれば,本件遺言書の筆跡は被相続人の筆跡とは同一とされているが,その鑑定理由を検討してみると、筆跡の鑑定人として注目してしかるべきと思われる本件遺言書の筆跡上の特異性に注目した形跡がない上,本件遺言書の筆跡と鑑定資料中の原告の筆跡との共通性について注目した形跡がなく,筆跡の模倣についての注意深さを欠いており,証拠価値が極めて低い…原告が本件遺言書について検認の申立てをした時期は,遺言書を発見してから11か月以上経過した後であり…1年間の服喪期間中は遺言書の存在を公にしないつもりであったという割りには,被相続人の死亡時から1年を経過する前に本件遺言書の検認の申立てをしている。また,本件遺言書が保管されていた状態及び本件遺言書の保管場所に関する原告の供述には,真実を述べることを回避しようとする姿勢が認められる。このように原告の供述には,本件遺言書の成立に関する重要な事実について虚偽又はつじつまの合わか一説明が多いと判断し,本件遺言書は原告によって偽造されたものと推認される(東京地判・平成9年6月24日)


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