(東京高決・昭和28年9月4日高民集6巻10号603頁)
(東京高決・昭和28年9月4日高民集6巻10号603頁)
「相続人は、祖先の祭祀をいとなむ法律上の義務を負うものではなく,共同相続人のうちに祖先の祭祀を主宰するものがある場合他の相続人がこれに協力すべき法律上の義務を負うものでもない。祖先の祭祀を行うかどうかは,各人の信仰ないし社会の風俗習慣道徳のかかわるところで,法律の出る幕ではないとするのが現行民法の精神であって,ただ祖先の祭祀をする者がある場合には,その者が遺産中祭祀に関係ある物の所有権を承継する旨を定めているだけである(民法897条1項)。したがって,利害関係Y1Y2が本件家屋内において仏埋その他を整えて被相続人Aの祭祀を行っているからといっても,抗告人らにおいてYlらの行う右祭祀に協力し,将来これを継続するために要する費用を分担すべき法律上の義務あるものではない。原審判がX1らに分割すべき本件遺産中から将来の祭祀料として金5万円を控除したことは不当といわなくてはならない。」